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【「7つの習慣」挫折者でも大丈夫!】物語思考とは何か?その方法をやさしく解説

物語思考とは

物語思考とは、起業家の古川健介さんが考案したキャリア設計術です。
この思考法は、人生を「自分を主人公とした物語」にして、「自分の理想とする人生を過ごす」という考え方です。自分を主人公にするというのは比喩ではなく、なりたい理想のキャラクターを実際に自分で設定して、その通りに人生を進めていきます

誰もが「理想の自分になりたい」「変わりたい」と望むものです。
しかし、自己啓発本を読んで実践しようとしたけれど、挫折してしまったという経験がある方も多いのではないでしょうか。あるいは、行動した方がよいことはわかっていても、なかなか行動できない、そもそもやりたいことがわからない。そんな人にも、この『物語思考』はおすすめです。

この本では、これまでの思考方法を少し変えて、目標までの道すじ、つまり「今」を充実した日々にするためのステップが具体的に書かれています。
自分を物語のキャラにすることで、他人のように客観視できるようになるので、物事への対策が打ちやすくなります。また、理想のキャラを設定して「行動できない」を解消できます。

それでは具体的にどのようにキャラを設定し、物語を進めていけばよいのか、5つのステップで紹介していきます。

ステップ1 「なりたい状態」を考える

最初に行うのは、自分が「なりたい状態」を言語化して、具体的にイメージできるようにすることです。この未来の理想像が具体的にイメージできれば、現在の行動に大きな影響を与えられます。過去の積み重ねももちろん大事ですが、現在の行動を変えようと思ったら、未来の理想像の設定の方がはるかに重要です。

ここから、未来の理想像を具体的にする方法を2つ紹介しますので、ぜひやってみてください。

「10年後になりたい状態」を100個リストアップする

「10年後になりたい状態」を制限なしに100個リストアップしましょう。自分がワクワクできるようなものを書いていくのがポイントです。年収や資産、始めたい趣味、住みたい場所、なんでも構いません。もし途中で書くことがなくなってしまったとしても、無理やりにでも100個書いてみましょう。どうしても書けないという場合は、思いついたときにその都度書き足していくとよいです。

ブレーキを外す

次は、リストアップしたものをチェックします。無意識のうちに自分のなりたい状態に制限をかけていないか確認しましょう。たとえば、「年収1000万」と書いたとします。制限はないので「年収1億」でも構わないのですが、自分でこれは無理だろうと勝手に判断して、制限をかけてしまうことがあります。やっぱり「年収1億」の方がよいと思ったら、リストの横にメモしておきましょう。

解像度をあげる

どうすればなりたい状態になれるのか鮮明にイメージできるようにします。たとえば、「エルメスの100万円のバッグがほしい」としたら、「月に2万円貯金すれば50ヶ月で買える」といった具体的な数字を出すとよいでしょう。
他にも実際に体験してみるのも効果的です。たとえば、ベンツがほしい場合、実際のシートの座り心地などをお店に行って体感してみましょう。体験することで、リアリティが上がり、現実に近づけられます。

ステップ2 「キャラ」をつくる

「なりたい状態に近づけるために一番効率のよいキャラはなにか」を考えるステップです。
物語思考では、自分のキャラを決めて、「自分はこういうキャラクターだ」と認識することで行動を変え、結果を出すという考え方をします。そのため、まずは自分のキャラクター設定をしていきましょう。

「なりたい状態」に近い人を挙げる

ステップ1で作成した「なりたい状態リスト」を見ながら、それを体現している実在の人物をイメージします。身近な人や有名人、歴史上の人物でも構いません。
挙げるのは1人でなくてもよく、それぞれの項目に合う人物を挙げます。完璧は目指さず、埋められるところを埋めましょう。

「なりたい状態」に近い人の性格を書きだす

今度は「なりたい状態」に近い人として挙げた人たちの性格を書きだしましょう。その人はどういう性質を持っているのかを自由に書いていきます。書きだせたら、改めて自分が「なりたい状態リスト」と照らし合わせて、どの要素があると「なりたい状態」を達成しやすいか考えます。リストは何度も更新しながら、自分のキャラをじっくりつくりあげていきます。

ステップ3 「キャラ」を行動させる

キャラは行動することでもつくられます。たとえば、「自分は優しい人間だから席を譲った」ではなく、「席を譲ったから自分は優しい人間だ」と認識するようになるということです。先ほどまでの話とは逆のようですが、行動から自分の性格の認識が変わることはよくあるので、「キャラづくり」と「行動」は両方とても重要です。

キャラがしそうな行動リストをつくる

ステップ2でつくったキャラの性格をもとに「こういう場面でこのキャラはどうするのか」を考えます。たとえば、人に褒められたときの反応で、「そんなことありません」と謙遜するのか、「ありがとうございます」と素直に受けとるのかなどです。事前に自分の生活の中でありそうなシーンを想定し、キャラの言動を決めておきましょう。

行動リストの行動を実行する

行動リストができたら、実際にそのとおりに行動してみましょう。行動することで、だんだん「なりたい状態」のキャラの性格に近づいていきます。

ステップ4 環境をつくる

私たちは思っているほど、自分の性格を把握できていません。他人が人の行動を見て、その人の性格を判断するように、自分も自分の行動で性格を判断している側面があります。たとえば、週末の朝はダラダラ遅くまで寝ている場合、自分はだらけた人間だと思ってしまうと思います。

では、このような自分の行動はどこからくるのでしょうか。行動は、周囲からどう扱われるかによっても変わります
周りからしっかりしたリーダータイプだと思われていたら、自分でもしっかりしなきゃと思うものです。そこで、重要になるのが「環境」です。ここで言う「環境」とは、周囲の人のことを指します。

「物語の登場人物」を変える

「キャラを変える」といっても、同じ環境でキャラだけを変えようとしても、結果はついてきにくいでしょう。たとえば、「毎日筋トレして、健康的でストイックな生活を送る」と決めたとしても、「ラーメンの食べ歩きサークル」に入っていれば、それを達成することは難しいと想像できます。

逆に「筋トレサークル」に入って環境を変えれば、周囲の人がみんなストイックに自分の体を追い込んで、いかにきれいに筋肉をつけられるかを追及していたら、自然に自分もそういう行動をとるようになります。

ここで注意しなければならないのは、理想とする行動を実際にとっている人たちの輪に入ることです。
たとえば「起業」を考えている場合は、実際にビジネスをしている人たちの輪に加わることです。「起業をしたいな」と考えている人のサークルはビジネスをしている人たちの環境と似ているように見えますが、そこから受ける情報や刺激が変わってくるので注意が必要です。

応援してくれる人を増やす

1人でがんばり続けるのはしんどいものです。そのため、応援してくれる人の存在は大きく、自分の力になります。スポーツの世界で、ファンの存在が選手に力を与えていることからも、応援の重要性はよくわかります。

しかし、身近な友人など比較的近しい人に応援してもらうのはおすすめできません。なぜなら、彼らは突然友人のキャラが変わってしまうことに抵抗を示すためです。人は現状維持を望む生き物なので、親しい人が急に変わってしまうと不安を覚えてしまいます。

そのため、SNSなどを使って、自分を直接知らない人に応援してもらうのがおすすめです。SNSでファンを増やすためには、「情報」の発信をするのがよいでしょう。みんなが知りたい有益な情報、たとえば「外国語でしかネット上に情報がないもの」などを積極的に発信して、まず応援してくれる人を増やすための行動を起こします。

ステップ5 物語を転がす

ここでは、名場面(物語だったらどんな場面で盛り上がるのか)を考えましょう。簡単に言えば、短期的なゴールをつくるということです。「自分のやりたいことはなんだろう」と重く考えてしまうと、逆に行動できなくなるので、短期のゴールを細かく設定してどんどん行動しましょう。

「名場面」を設定する

物語で盛り上がる「名場面」を設定するルールは次の3つです。

名場面のルール
  • 定性的なものにする
    数字ではない目標にする
  • ワクワクする形で書く
    義務感に駆られるような目標ではなく、思い出すとワクワクして行動したくなる内容にする
  • 自分が記憶しやすく、スラスラ言えるくらいのものにする
    どんなシーンか忘れてしまうようなものだと行動につながらないので、記憶しやすい内容にする

行動計画を立てて実行する

名場面がイメージできたら、次に行動計画を立てます。
たとえば、「社内の新規事業コンテストに出て優勝する」というシーンを名場面に設定した場合で考えてみましょう。コツは、次の3つを考えることです。

行動計画のコツ
  • 戦略(方向性)
    経営陣が課題と考えている分野で、一番リターンが大きそうな事業を考え、資料を提出する。
  • 作戦(計画やスケジュール)
    経営陣の考えを調査しつつ、新規事業の立て方や資料作成の方法を学ぶ。
  • 戦術(具体的なタスクや行動)
    「経営陣が取材などでなにを言っているかチェックする」「新規事業開発の本を読む」など具体的なタスクを決定する。

行動が決まれば、あとは実行していくだけですが、実行に移すのが難しいと感じるかもしれません。そういう場合は、行動をできるだけ細分化しましょう。「新規事業開発の本を1冊読む」だとハードルが高いので、「本を買う」や「本を調べる」のように、どんどん行動を小さくして1歩目を踏み出しやすくしましょう。

物語思考と似ているアイデア

物語思考は、自己啓発書の名著『7つの習慣』の内容に似ています。7つの習慣については、下記の記事もご参照ください。

参考

  • けんすう(古川健介) (著) 『物語思考』 幻冬舎、2023年