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シックスハット思考法(6つの帽子思考法)とは何か?その内容と会議での実践方法を解説

2023年2月27日

シックスハット思考法とは?

水平思考の生みの親 エドワード・デボノ(Edward Charles Francis Publius de Bono)の写真
エドワード・デボノ(写真はより)

シックスハット思考法(6つの帽子思考法)とは、「水平思考」の生みの親であるエドワード・デボノ(Edward Charles Francis Publius de Bono)が提唱した思考法です。
彼は、人間の一般的な性格を6つの帽子に当てはめました。6つの帽子にはそれぞれに色があり、その色のイメージに合った性格が当てはめられています。
たとえば、青い帽子は「冷静」、赤い帽子は「主観的」、黄色い帽子は「楽観的」といったものです。それぞれの帽子の性格や特徴については、後ほど詳しくご紹介します。

この思考法は、色のついた帽子をかぶり(またはかぶったと想定して)、その性格を持った人になりきって、会議などで意見を出していく方法です。

人はそれぞれ自分の性格によって特定の考え方に偏りがちですが、この6つの帽子を使うことによって、様々な視点に立って意見を出していくことができます。
議論では、対立した意見を互いに打ち負かそうとして、相手側の意見のメリットをなにか見つけたとしても「言わない」ということが起きます。

しかし、このシックスハット思考法では、全員が同時に同じ色の帽子をかぶり、同じ視点に立つことで、そういったマイナス面を回避できます。デボノ博士は、このように全員が多角的な側面を知った上で、同じ視点から考えていくことを「並行思考」と呼んでいます。

同じくデボノ博士が考案した「水平思考」という考え方も有名です。
これは緑の帽子にも関わってくる考え方で、問題解決の際に、既成の概念にとらわれることなく、多角的な視点でとらえ、自由な発想でアイディアを出す思考法のことです。
水平思考については、下記の記事をご参照ください。

動画でも解説していきます

シックスハット思考法については、動画でも解説していますので、ぜひご覧ください。

シックスハット思考法のメリット

では、シックスハット思考法を使うメリットはどこにあるのでしょうか。
次から説明していきます。

時間短縮

一般的に、会議は時間がかかるものというイメージがあります。
いろいろな意見が出て、意見が対立してしまったり、議論になって話がなかなか前に進まなかったりする経験がある人は多いでしょう。
しかし、このシックスハット思考法を使えば、会議は相手を打ち負かす議論の場ではなくなり、建設的な話し合いができます。それだけで大幅に時間短縮が可能です。

たとえ意見の対立があったとしても、それは同じ視点から生まれた意見なので、相手を納得させる議論をする必要はなく、自然な形で最後にどちらかを結論として選ぶことが可能になります。

注意の集中

脳は、同時に複数のものごとに集中して注意を払うことはできません。
たとえば、帰り道に赤いものがいくつあるか数えようと決めたとします。そうすると、赤いものがたくさん目につきます。そうして家に着いてから、「青い」ものはいくつあったかと質問されたとしても、青いものには注意していないため、まったく分かりません。

これと同じで、帽子をどれかひとつかぶることで、一度にひとつのことに集中できます。逆に、一度に様々なことを考えようとすると、混乱し、考えがまとまらなくなってしまいます。
つまり、複数のことに同時に頭を悩ませるのではなく、ひとつのテーマに集中し、考えることがこの思考法の重要なポイントとなります。

6つの帽子の種類

6つの帽子のイメージ画像

6つの帽子の色と特徴を、下の表に簡単にまとめました。

特徴
白い帽子客観的
赤い帽子主観的
黒い帽子悲観的
黄色い帽子楽観的
緑の帽子創造的
青い帽子冷静

それでは1つずつ詳しく見ていきましょう。

白い帽子

白い帽子は、「中立」であり、数値やデータに基づいた意見を出す役割を持っています。すでにある考え方の情報を出すことはあっても、新たなアイディアを出すことはありません。そのため白い帽子を使うときには、「情報」に集中する必要があります。

白い帽子は、「情報を見つけ、準備する」部分に焦点が当たっています。白い帽子には事実だけが求められており、判断することは求められていません。
事実や数値に基づいた情報と、ものごとを客観的な視点で見る目、これらを併せもつコンピューターのような役割が求められています。

赤い帽子

赤い帽子を使うときには、感情や直感をそのまま表現する機会が与えられます。感情だけを表現し、その感情を他の言葉で説明してはいけません。

赤い帽子をかぶっているときに注意しなければならないことは、感情を正当化しようとしないことです。赤い帽子は、論理的である必要はなく、感情をありのままに表すことが求められているので、感情や直感に対して理由づけする必要もありません。

黒い帽子

黒い帽子は、批判的な視点からものごとを見る役割があります。問題点や注意すべき点を論理的に指摘し、意見を出します。
黒い帽子は否定的な意見を出しますが、たとえば「この考え方は気に入らない」といった意見は、感情にまかせた発言であり、赤い帽子になってしまいます。混同してしまいやすいですが、黒い帽子をかぶっているときは、あくまでも論理的な意見を出すようにしましょう。

黒い帽子は、問題点やリスクを洗い出すことにつながる帽子なので、会議において非常に重要な役割を担っています。矛盾点はないか、不利益にならないか、注意深く慎重に考えることができます。このように黒い帽子をかぶることで、問題点を上手く見つけられます。

黄色い帽子

黒い帽子と反対の肯定的な役割を持っているのが、黄色い帽子です。出ている意見に対して、利益を見つけるための帽子です。こちらも黒い帽子と同様に、論理的でなくてはいけません。

この帽子は、積極性があり、ものごとを前向きにとらえられます。日ごろから、そういった考え方ができる人は多くありません。しかし、黄色い帽子をかぶることによって、強制的にものごとのよい側面に焦点を当てることになります。
黄色い帽子の特徴である積極的で楽観的な考えを持って、肯定的な側面にフォーカスすることで、ものごとの価値を見つけ出すことができるのです。

緑の帽子

緑の帽子は、創造性を持ち、新しいアイディアを考える役割を持っています。普段、アイディアを出そうとしても、なかなか出てこないという経験は、誰しもあるでしょう。
しかし、緑の帽子をかぶり、「創造力を発揮してください」と時間を割り当てることで、人はアイディアを出そうと努力します。さらに、アイディアを「期待」されている点も重要です。
人は期待されていると分かると、「がんばってみよう」と自ずと力を発揮できるものです。
そうすることで、新たなアイディアや方向性が生まれます。緑の帽子は、推進力となるのです。

青い帽子

青い帽子は、考え方を考えたり、考え方を組み立てたりと、コントロールする役割を持っています。
特徴は「冷静」であることであり、会議の進行役となる人がかぶるのが一般的です。もちろん青い帽子を使う時間になれば、出席者の誰もが青い帽子で意見を述べることができます。

青い帽子は会議の最初と最後に使われることが多く、はじめに「なにについて考えるのか」を明確にし、最後に「成果」を確認します。
客観的な視点を持っているため、行き詰まってしまって、会議が思うように進まなくなったときに、一度青い帽子をかぶってみるのもよいでしょう。

6つの帽子を使った議論の進め方

シックスハット思考法の準備

では、実際に6つの帽子を使った議論をどのように行うのかを説明します。
1つの帽子の色につき、話し合う時間は5分程度です。あまり長くなりすぎないようにしましょう。色を変えながら、この5分の話し合いを繰り返していきます。

帽子を実際にかぶる必要はありませんが、ネームプレートや厚紙など色のついたアイテムを用意すると効果的です。なぜなら、視覚的に色を認識している方が、色が変わったときに考え方を切り替えやすいためです。

また事前に、話し合うテーマ(課題)と、色の順番を決めておきましょう。
色の順番については、参加者がシックスハット思考法に慣れている場合であれば、事前に決めておかなくてもよいですが、もし慣れていない場合には、決めておく方が無難です。

先に色の順番を決めておかないと、どの色を次に使うか決めることに時間を費やしてしまいます。さらに、自分の意見を通すために、意図的に順番を操作していると思われる可能性があるためです。

シックスハット思考法のヒント

必ずしもこれが正しいという順番はありませんが、たとえば青い帽子は、会議の最初と最後に使うと効果的でしょう。
最初に「なにについてこれから考えようとしているのか」を明確にし、最後には「成果」や「結論」を確認し、「次回への課題」を考えられるためです。

帽子は同じ色を何回使ってもよいですし、反対に使わない帽子があってもよいですが、1つだけ注意点があります。
それは、帽子をかぶっているときは、かぶっている帽子の色で意見を言うことです。他の色で意見を言ってはいけません。もしかぶっている色の意見がなかなか思いつかないとしても、なにかしらその色の意見を出すように心がけてください。

まとめ

普段は偏った思考をしてしまっていたとしても、シックスハット思考法を使うことで、多角的な視点を手に入れることができます。自分でも思いもよらないアイディアが浮かぶ可能性もあります。
あなたも、ぜひシックスハット思考法を使って、自由な発想をしてみてください。

参考

書籍

  • エドワード・デ・ボーノ(著)、川本英明(訳)『会議が変わる6つの帽子』翔泳社、2003年
  • ジェームズ・マクグラス(著)、福井久美子(訳)『瞬間フレームワーク』クロスメディア・パブリッシング、2017年

Webページ

  • (2023年2月24日確認)